外受精の妊娠率とホームページ。

ホームページの妊娠率はあてにならない。

何かに疑問を持ったとき、それを調べようとするのは人間の習性でもあります。

人に聞いてみる、百科事典で調べてみる、図書館に足を運んでみるなど、いろいろな方法があります。

最近では、何かを調べるためのツールといえば、まずインターネットでしょう。

私のもとに不妊で相談に来られる方の90%以上が、インターネットのユーザーです。

インターネットは大変便利なツールであることは間違いありませんが、不妊に関しては、本当に注意深い対応が必要だと思います。

体外受精における妊娠率を知りたいと思えば、インターネットで簡単にアクセスできると思いがちです。

そして多くの医療機関のホームページには、目を疑いたくなるような高い妊娠率がきら星のごとく並んでいます。

ホームページをたどっていけば、すぐにわかることなのですが、妊娠率を掲載している医療機関においてその多くが妊娠率の分母や分子があいまいだったり、分母や分子を明確に掲示していない場合も多くみられます。

多くの医療機関で「当院の妊娠率」などとして掲載されている数字は、全国平均でも30%近い数字となっていますが,これは妊娠率を採卵1回あたりではなく,胚移植1回あたりの数字として計算しているからです。

体外受精にエントリーし、無事採卵までにこぎ着けても,この卵子の受精、培養の過程で約4分の1がドロップアウトし、胚移植には至らないということはぜひ覚えておく必要があります。

受け手側がホームページの情報を鵜呑みにして、きちんとしたリテラシーを持っていないと、かえって不幸なことにもなりかねません。

また、インターネット上の情報というのはベジママの効果を謳う不妊に限らず、表層的、並列的という特性を持っています。

要するに、底の浅い、似たり寄ったりの情報が無尽蔵に表示されることが多いのです。

たとえば、不妊の悩みというのは、そのカップル固有のものであり、まさに十組十色です。

その答えをインターネットに求めようとしても、なかなか見つかるものではありません。

また、ネットサーフィンしてインターネットのリンクをたどっていくことは、いわばエンドレスの扉を開け続けることであり、どんどんどんどん深みにはまってしまうことが多いものです。

インターネット上の情報には、なんら審査が無く、送り手側の意志でアップロードできてしまうため、体外受精の妊娠率に関しては,とりわけ、注意が必要だと私は念を押しておきたいと思います。